B.信頼社会
これまでは、国家体制や社会的制度をいろいろと述べてきたが、もともと人間は、自分自身の幸福を追求する生きものであり、社会の幸福などどうでもいいのである。しかし、これからは自分自身の幸福がそのまま社会の幸福とならなければ、この地球は人間の欲望でいっぱいとなり、未来の社会に希望はなくなる。
政治とは、国民の生命を守ることだった。国民は生きていくことさえ困難であった。江戸時代、米沢藩主の上杉鷹山は天明の飢饉の時でさえ藩内から一人の餓死者も出さなかったというリーダーシップを評価され、今の世にまで尊敬されている。昔はこれだけでよかったのだが、今は、国民が個人主義となり一人一人がクオリティー・オブライフ(人生の質)を求めるようになった。
ただ生きているだけでは納得せず、政治や宗教に自分たちを生活権という名の際限のない幸福にさせることまで求め始めた。幸福とは自分自身の心の中に生まれてくるものであり、他人が、ましてや国家や社会が作って与えるものではない。際限なく幸福になりたいという欲求にあえて個人的に答えるとすれば、私自身が幸福だと感じる瞬間を紹介するだけである。
私自身が幸福だと感じる瞬間は、自分の心に正直に生き、家族や仲間たちとも正直につきあい、利害を超越して、心のそこから「信頼関係を築けたなぁ」と感じた瞬間である。
願わくば、多くの人々にこの瞬間を感じてもらいたい。この瞬間が幸福だと感じる人でいっぱいになったら、 私が思い描く未来社会 “信頼社会” ができあがる。 |