A.価値観について
そこでまず、現代人の価値観と江戸時代の人の価値観を比較してみると、 はっきり言えるのは、現代人の価値観であり、大勢の人々がその基準を金銭的価値に置いている。そして、この金銭的価値を多く所有することが幸福であり 生活における豊かさであると同時に精神的にも豊かであると思いこんでいる。
この“金銭至上主義”という誤った価値観が、現代の多くの日本人の心そのものになっている。
江戸の時代の人々の価値観は、貨幣経済がそれほど発達していなかったこともあり一部の商人などを除いて、現代人のような、金銭至上主義者は、ほとんどいなかったのではないかと思う。ほとんどの人達が貧乏が当たり前で、右を向いても左を向いてもみんな貧乏だったと思うし、“金は天下のまわりもの”という感覚で、集めるということより、どのように使うかどのように遊ぶかということに心が向けられていたのではないかと思う。でも本当は、金銭なんか使わないというより、 必要としない 日常の生活の中に喜びがたくさんあって、それぞれの人々に自分の個性にあった喜びが、日常の中にたくさんあったから価値のあることが、たくさんあり、人の数だけ幸福が存在できたのではないかと思う。
現代人と江戸の時代の人々の価値観の大きく違うところは、現代人は大多数の人々が、金銭という同じものを追いかけてその金銭に絶対的な価値を置いているから、ほんの一握りの人しか幸福感を持てず、江戸の時代の人々は、一人一人に合ったたくさんの価値観が存在できたから幸福になりたいと思えば、その瞬間に幸福になれたのである。 |